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株式投資

目次

テクニカル分析入門

■はじめに

(ちょっとありえない例ではありますが…)例えば、あなたの持ち株が、 30日間連続ストップ高を演じたとしましょう。 おめでとうございます!あなたは、大金持ちになりました。その時点で、速やかに相場から引退して、二度と株式投資をしないなら、 きっとあなたは相場の勝者として一生を終えることが出来るでしょう。しかし、その後も取引を続けるなら、もしかすると、莫大な儲け を失い、最後には敗者として相場の世界から引退せざるを得なくなるかも知れません。

なぜなら、最初の勝利は偶然のラッキーによってもたらされているからです。ラッキーで得た勝利は、アンラッキーにて失います。

でも、あなたは反論するかも知れません。「ラッキーだって?馬鹿を言ってはいけない。私は周到に銘柄研究をしたのだ。あの株は、 ファンダメンタル的に上がるべくして上がったのだ!」と。

確かに、それも一理あるでしょう。私は決して、ファンダメンタル分析による、銘柄研究を軽視しているわけではありません。

しかし、忘れてはならないのは、株価はファンダメンタルのみで形成されるものではないという事実です。

どんなに、ファンダメンタル的に優れた銘柄でも株価によっては、値下がりすることはあるし、どんなダメ株でも、短期的には値上がりする こともあるのです。

もちろん、長期的な視点に立つという名目のもと、「一度買った株の値動きは気にしない」という人なら、半年で株価が半分になろうと、 1年で3分の1になろうと、問題はないのかも知れません。10年後に5倍になっていればそれでハッピーなのですから。

しかし、そういう投資が出来るだけの資金量と胆力を持ち合わせている投資家は少ないと思います(たぶん)。それに、ファンダメンタルだけ見て、 後は寝て待つというのは、私にはどうも納得ができないのです。言葉がすぎるかも知れませんが、「怠惰な運用」な気がして仕方がないのです。

もちろん、資産運用の世界というものは運用する「資金」と「期間」によって、全く違ったスタイルになりますので、否定はしませんが。

(そしてどのようなスタイルをとろうと、勝者になることが可能なのが、運用の世界です。逆にいうと、どんなスタイルをとっても敗者になる こともあるのが運用の世界です。矛盾してますか?)

ただ、確実に言えるのは、資産運用の世界で生き残っていくためには行き当たりばったりではダメだということです。自分なりの運用ルール というものが、非常に大切です。

そして、利益が出せるルールの確立が出来たなら、後は胆力の世界です。

とにかく、何はともあれ、利益の出せるシステム作りが、第一です。そして、しっかりと覚えておかなければならないことは、正解は一つではない ということです。つまり、どのようなシステム(ルール)でも、利益の出せる人と出せない人がいるということです。

だからこそ、「自分なり」のルール作りが大切です。人の意見やルールに惑わされない強い精神力も必要です。

つまり、私の投稿も信じちゃいけないということです。

(なんか、やっぱり矛盾してますね(爆))

まあ、私はそのように考えておりますので、話半分でお付き合いください。

さて、これ以上話を先に進める前に、まず明らかにしておかなければならないのは、私自身の投資スタイルだと思います。

まず、買い(売り)から利食いまでの期間としては、大体、数週間から数ヶ月程度のスイングトレードを中心にしています。

過去の経験では、トレード期間を途中で変更してしまって、値下がりしたときに、塩漬けにして、長期間保有を決め込むこともありましたが、 売買価格をシビアに設定し、損切りを徹底することによって、短期間での運用をメインにしています。ただし、基本的にデイトレードはしません。

銘柄の選択は、大体、東証1部上場企業の小型株をメインにしています。信用貸借銘柄で、流動性があるものを選択しています。無配のものは出来るだけ 避けたいですが、銘柄によっては無配でも構わないと思っています。具体的な選択はどれだけの期間、その銘柄と付き合う予定なのかによって微妙に変化します。 ある程度のルールは持ちながらも臨機応変に、枠を広げたりもします。

仕掛けと利食いは、支持線まで下がったところを買い、抵抗線で売るという単純なものが基本です。もちろん、抵抗線を抜ければ、今度は次の抵抗線まで 待つか、新たに支持線に変わった、以前の抵抗線を割るまでが利食いのスパンと考えています。これまた、私は気分屋なので、常にルールどおりに売買をして いるわけではないのですが…。

(支持線、抵抗線、などの言葉が出てきましたが、これに関してはおいおい説明していきます。)

さて、テクニカル分析という言葉を出しますと、生粋のファンダメンタリストは、「なんだ。テクニカル分析なんて、単なる当てものじゃないか。チャート で株を売買するなんて、ギャンブルと一緒だ。私はギャンブラーではなく、投資家なんだ!!」というような、反論をする人もいるかもしれませんが、それは、 正しい姿勢ではないと私は考えます。

(そもそも、ファンダメンタリストとかテクニカルリストと分類すること自体がナンセンスという意見もあります。両方見るのが賢い投資家というわけです。 ま。当然ですね。)

私は個人的に、相場初心者の人は、まず、テクニカル分析を徹底的に勉強しておくべきだと考えています。まずは、テクニカルの基本を身に付けて、それから ファンダメンタルの勉強をしていけばよいのではないでしょうか。これが逆になるとファンダを過信するあまり、損切りが出来ないという、過去に何度も 繰り返された悲劇をまた、繰り返すことになると思います。実は、私もファンダから相場の世界に入ったのですが、最初のころは損切りが出来ずにずいぶん 損をしました。

というわけで、これからちょっと、テクニカル分析の入門をお話していきたいと思っています。


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■移動平均線(1)

さて、移動平均線です。移動平均線といえば、ゴールデンクロスだとかデットクロスだとかグランビルの法則だとか、定番の解説がいくつかあるのですが、 今回は、ちょいとそれらの解説は後回しにしてしまおうと思います。

もちろん、そうした「法則」は、先人が苦労の末に編み出した定型であり、それなりの価値はあるものだと思いますが、私にはもっともっと大切なことが あるような気がしてならないのです。

その「大切なこと」の話をする前にちょっと寄り道…。

例えば、あなたがとある銘柄を買ったとします。まぁ、普通は値上がりを期待していると思います。

(中には一時的に値下がることを予想しながらも、分割で仕込むことをたくらむ豪傑な方もいらっしゃるかもしれませんが、それはまぁ置いて考え ましょう。建玉法のお話は、また別の機会にということで…)

ところが、ちょっと考えればわかることなのですが、その値段で「買えた」ということは、その値段で「売った」人がいるわけです。自分がどんなに 欲しくても売ってくれる人がいなければ買えないわけですから、当たり前です。

あなたは欲しくて欲しくてたまらなかった株ですが、別のある人は売りたくて売りたくて仕方なかったのかも知れません。

では、なぜ Mr.X はその銘柄を売ってくれたのでしょうか。

普通に考えれば、100%値上がりすることが分かっている株を売る人はいません。

可能性はいくつも考えられます。例えば、

  1. 個人的な事情により、どうしても緊急に現金が必要になりやむを得ず売った。
  2. 信用期日が到来したので、自分の意志とは関係なく、強制的に売られた。
  3. 値下がりすると思ったので、空売りを仕掛けた。
  4. 近日中に粉飾決算がばれて記事になることを知っていた。

などなど…。

まぁ、最後の「4」は、犯罪の可能性を含む微妙なケースですから、例外としても、市場には、個人的事情を持った人も参加しているし、外部のルールに 束縛されている人もいるわけです。(機関投資家の中にも、内規などルールに縛られている人はいますね…)

興味深いのは、「3」のケースでしょうか。同じ時期の同じ銘柄に対しても、将来の見通しが異なるが故に、株価というものは値段がつく (あるいは株価が動く)ということが良く分かると思います。

いずれにせよ、株価の裏には、さまざまな人の思惑が交差しており、かなり高度な心理戦も行われていたりもします。

あなたが買ったその株を、どのような理由で売ってくれたのか、真の理由はその本人に聞かなければわかりませんが、ヒントはあちこちに転がって いたりします。

実は、移動平均線というものも、そのヒントのうちの一つです。

例えば、「5日移動平均線」というものは、過去5日間の平均株価を線にしてつなげたものです。これを見ると、直近の買い方の平均買いコストが 分かるわけです。

もし現在の株価が平均株価を超えていれば、買い方の建て玉は利が乗っているわけですから、相場環境は強気です。短期値幅取りの投資家はさっさと 利食ってしまうかも知れませんが、中期投資家なら利が出ているうちは、ちょっと待とうと考えているかも知れません。

と、言うことは売り手が少ないわけですから、そこに新たな買い手が現れば、値はさらに上がっていくことになります。

株価が上がれば移動平均線も上がっていきます。右肩上がりの始まりです。

もちろん、投機的な売り手が値崩しにかかって、狼狽を誘うような空売りを仕掛けてくる可能性もあります。が、そんなことが可能なのは流動性の低い 店頭銘柄や2部銘柄であって、流動性の高い銘柄でそんなことをやるためには、半端でない資金力が必要になってきますし、普通は続きません。

と、言うわけで、ものすごく単純に言うと、移動平均株価より現在の株価が上回っている状態ではおおむね投資家としては安心して買い玉を維持して いられるわけです。

すると、焦るのは売り方です。空売りを仕掛けている投資家は、なかなか下がらない株価に嫌気をさし、買戻しにかかるかも知れませんし、現物投資家でも、 利食いなり損切りなりをして、買い玉を解消してしまった人は、もう一度参戦するために買いに走るかも知れません。

踏み上げ相場の始まりといいましょうか。そうなると、株価はぐんぐんと一本調子で上がっていきます。

調子よく上昇していると、どこまでも上がっていきそうな気がしてくるものですが、ところがどっこい、奢れるものは久しからず。盛者必衰の理というもの がこの世には存在しておりまして、必ず、いつかは下がります。

いったん株価が下がりはじめて移動平均線を割りますと、直近の買い方は、含み損を抱えます。ここからが、弱気の始まりです。

しかし、直近の買い方はちょっと値下がりしたからといって、いきなり売ることは出来ないものです。

普通、買い方は値上がりを期待していますから、夢がいっぱいです。もちろん、冷静に損切れる人もいるかと思いますが、それは少数派で、大方の人は 「様子見」などといって、しばらくはガマンする道を選ぶかも知れません。

しかし、無情にも、ひとたび株価が移動平均線を割りますと、過去に移動平均線が右肩上がりの初期に買った投資家は利食いをかけてきます。

「これでようやく一儲け」といったところでしょうか。あるいは、ここがチャンスと空売りをかけるかも知れません。

すると、焦るのは直近の高値で買ってしまった投資家です。ここまで調子よくあげてきたのだから、まだまだ上がるはずだと思うものの株価は無常に 下がってきます。ちょっとは耐えるのですが、まぁ時間の問題です。

平均線が下がり始めますとまず短期的には下落方向に動きますから、早めに損切った方がお得なのですが、慣れないうちは間違いをなかなか認められない ものなんですね。

もちろん、瞬間的な下落が良い押し目となって再び上昇に転じることもないとは言えませんから、そこらへんは個別銘柄ごとに、ご相談と相成ります。

では、どこまで下がるのかというと、当然、下落のピークは銘柄によってまちまちです。倒産不安のない銘柄なら、永遠に下げるということはありえません から、必ずどこかで反転が始まります。

ある銘柄は、高値ピークから信用期日の6ヵ月後あたりかも知れませんし、また別の銘柄は数週間で調整を終えるかも知れません。

それは、誰にもわからないことですが、セリングクライマックスが起こると底打ちすることもあるようです。また、チャートをじゅっくりと眺めていますと、 兆候が現れてくることもあります。

まぁ、いずれにしろ、移動平均線を一つとってみても、重要なのは型ではなくて、そこに潜んでいる「投資家心理」ではないかと私は強く感じます。

株価の値動きの裏には、現実に投資をしている投資家がいるわけで、その投資家の心理がチャートには現れてくるのです。

いつも見ている、株価や相場。その世界を、ちょっと見方を変えて眺めてみると、きっと新しい世界が開けてくると思うのですが、いかがでしょうか…。


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■移動平均線(2) -グランビルの法則-

そういうわけで、グランビルの法則です。

本当は図を用いて説明をした方がわかりやすいのですが、作図の才能がありませんので、文章のみで解説いたします。ごめんなさい。

(いずれ図解を用意できるときがきたらUPしたいと思っております…)

さて、グランビルの法則ですが、買いの4法則、売りの4法則、あわせて合計8法則があります。

まずは、買いの4法則からご紹介します。

  1. 移動平均線が下降した後で、上昇、あるいは横ばいとなった時に、終値がその平均線を大きく上抜きした時
  2. 移動平均線が上昇を続けている時に、終値が平均線の下に来た時
  3. 終値が移動平均線を上回って推移しており、平均線に近づく下落を見せたが、結局平均線を下抜かずに上昇した時
  4. 移動平均線が下降を続けている時に終値が下落し、平均線から大きく下離れした時

まずは、買いの法則その1

「移動平均線が下降した後で、上昇、あるいは横ばいとなった時に、終値がその平均線を大きく上抜きした時」

というのは、要するに底値からの反転上昇を狙う戦略です。移動平均線が長期的に下落した後に、横ばいになる、あるいは上昇に転じるというのは、買い方の投売りがほぼ終了し、横ばいなら値固めをしているとき、反転上昇なら、値固めが済んで買い方の平均コストがまた上昇をはじめたことを示しています。

そのときに、終値が移動平均線を大きく上抜いてくるということは、直近の買い方の平均コスト以上の価格を支払ってもぜひ買いたいと思う人が多くなったということをあらわしています。つまり、買い意欲が旺盛になってきていることを示すわけです。これはトレンド転換のわかりやすいシグナルです。

もちろん、慎重を期すならこのときに、出来高の上昇を伴っていることを確認しておくべきだと思います。なぜなら、流動性の低い小型株の場合、数億円程度の小金持ちの思惑で株価の操作をすることなどが簡単にできてしまうからです。

ちなみに、この傾向が少し続けば、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けることになりますから、いわゆるゴールデンクロスが生じることになります。

移動平均線を2つ利用して判断するゴールデンクロスよりも移動平均線と終値だけを利用するグランビルの法則のほうが少しだけ早く、変化の兆候を察知することになります。

肝心なのは、何日の移動平均線を利用するかという問題であり、それは難しい問題です。投資スタイルや投資家個人の性格によって最適な指標の判断が異なるところもあるので、ココではそこまでは言及しません。いろいろな移動平均線を用いて、自分に最も合った移動平均線は何日なのかを検証をしてみると面白いかもしれません。

さて、続いて、第2の法則と第3の法則をまとめてご紹介します。まずは、第2の法則から。

「移動平均線が上昇を続けている時に、終値が平均線の下に来た時」

これは買いルールとして紹介されていますが、個人的には判断に迷うところだと思います。

いわゆる"押し目"買いを想定しているわけですが、移動平均線を割って下落した場合、単なる"押し目"なのかそれとも本格的な反転の兆候なのか迷うこともあるからです。

通常、"押し目"買いといいますと、第3番目のルール(「終値が移動平均線を上回って推移しており、平均線に近づく下落を見せたが、結局平均線を下抜かずに上昇した時」)を指していて、結果的に移動平均線を下抜かずに反転上昇を見せるものなのですが、株価というものは時に行き過ぎることがあり、押し目にも関わらず、いったん平均線を割ってしまうことがあります。

別な言葉でいうと、いわゆる「ダマシ」というやつですね。

いったん、下落をしたものの、結果的に「ダマシ」になって反転上昇を試すという状況です。

ココでの判断は、非常に微妙で、人によって対応が様々に異なると思います。

例えば、移動平均線を割った段階では「ダマシ」なのか「反転下落」なのか判断がつかないわけですから、すっぱりと損切りする人もいるかも知れませんし、他の人は、とりあえず「ダマシ」もあることを考慮し、平均線の何ポイントか下までは買い下がりの価格として用意しておき、損切り価格に余裕をもたせる人もいるかも知れません。

いずれにしろ、強弱感が行き交う状況であり、単に移動平均線と終値だけで判断するのはちょっと難しいかも知れません。

こういう時は、出来高や信用倍率、日柄などいくつかのその他の指標も参考にしながら判断を下すのが良いでしょう。

最後の第4のルール…

「移動平均線が下降を続けている時に終値が下落し、平均線から大きく下離れした時」

この状況は、いわゆるセリングクライマックスの状況(下落の恐怖に耐え切れずに投げ売られた状況)です。

投げ売りが起こる時は、底なし沼のような下落の恐怖により、異常な安値がつくことがあるので、売られすぎだと判断した場合に、短期的な反発を狙って、買いを入れるわけです。

ちなみに、移動平均線乖離率という便利な指標があるので、売られすぎや買われすぎを判断するのに使ってみると良いと思います。

ただし、注意をしなければならないのは、確かに、株価が平均線よりも大きく乖離してきますと、平均線と終値は接近に向けて、修正の動きが生じますが、株価が上昇して修正される場合と、株価は安値に張り付いたまま何日か経って、下落してきた平均線に接近するという場合があります。

つまり、株価の反発によって修正される場合と、日柄の調整によって解決される場合がありますので、突っ込んだところを狙う投資家はあくまで短期的な反発に狙いを絞り、短期で反発が見られない場合は、さっさとポジションを解消して逃げておいた方が良いかも知れません。

なぜなら、株価というものは、確かに恐怖で売られすぎることもありますが、売られるには売られるだけのそれなりの理由があるものですから、更なる株価の下落も十分に考えられるからです。銘柄によっては、最悪の場合、倒産の可能性も考えなければならず、その危険性が顕在化したときには、為す術がなくなってしまいます。


続いて、売りの4法則です。

  1. 移動平均線が上昇した後で、下落、あるいは横ばいとなった時に、終値がその平均線を大きく下抜きした時。
  2. 移動平均線が下落を続けている時に、終値が平均線の上に来た時。
  3. 終値が移動平均線を下回って推移しており、平均線に近づく上昇を見せたが、結局平均線を上抜かずに下落した時。
  4. 移動平均線が上昇を続けている時に終値が上昇し、平均線から大きく上離れした時。

売りの4法則は、買いの4法則の上下をちょうどひっくり返したのと同じになります。

[続く]

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ファンダメンタル分析入門

■はじめに

巷では、ファンダメンタリストVSテクニカリストという不毛な争いが繰り広げられているそうです。

私は、そのような争いは、とてもおろかで無意味な争いだと思っています。

相場にかかわるものにとって最も大切なのは結果です。どんなに高尚な理論や理屈を展開しても稼げなければ、敗者です。

もちろん、単純に"稼ぐ"といっても、百戦して百勝する必要はありません。というよりも、勝率100%目指すのは不可能ですし、むしろ 逆効果になりかねません。

決定的なダメージを受けないように、資金管理をしっかりとする。そして、相場で生き残るために必要ならば、テクニカルだろうが、 ファンダメンタルだろうが、すべてのものを利用して、最善を尽くすことが大切です。

ただし、相場をはじめたばかりの初心者の方は、今日はファンダ、明日はテクニと、一度にいろいろと手を出すと消化しきれずに余計、どつぼにはまる危険性もあります。

故に、ある程度ルールの確立ができるまでは、あまり沢山のことを考えずに1つの戦法にこだわってみるのが良いと思います。

そして、ある程度利益の出せるルールが確立できてきたら、いろんな人の意見ややり方にも目を広げ、少しずつブラッシュアップを続けていくべきなのです。

さて、そういうわけでファンダメンタル入門です。

ちなみにココではとても基本的なことを中心に初心者向けに解説していきます。

ファンダメンタル分析とは、決算短信などの公開された企業情報元に分析した企業価値と実際に市場で評価されている株価を比較して、割安か割高かを判断する分析方法です。

つまり、実力よりも過小評価されている株を買い、過剰評価された株を売れば、きちんと再評価されたときに利益が出るという考え方です。

この手法で大切なのは、企業価値をきちんと分析するということです。

もちろん、企業の価値など正確に評価できるものではないのですが、明らかにおかしな評価がされていることもあるのです。

その後に起こる動きが、株価による修正になるのか、それとも今までに公開されていた企業情報の修正になるのかは分かりませんが、明らかにおかしな評価であれば、何らかの動きがあってしかるべきです。

ただし、その動きがすぐに起こるとは限りませんが…。

ファンダメンタルを元にした割安株(バリュー株)投資家の基本姿勢は、人気がない故に、忘れ去られ、実力よりも低い評価を受けている株を人知れず買い集め、再評価されるまでじっと待つというものなのです。

バリュー株投資家は基本的に損切りをしません。企業情報の修正がない限り、株価が値下がれば、ますますお買い得になるわけで、ナンピンをすることはあっても、損切りをする必要がないわけです。

もちろん、長期に資金が拘束されてしまう可能性がありますので、耐え忍ぶ辛い期間が続くこともあるでしょう。しかし、結果的にきちんと再評価されれば、苦労は報われ、投資によるリターンも大きなものとなります。

耐えた結果が、「企業情報の修正→倒産」になると報われませんが、そのような危険性が少しでもある銘柄をバリュー株投資家は選択しないはずです。つまり、単純な値ごろ感で購入するのではなく、あらゆる指標を検討しても理解不能の低い評価がされている場合に、勇気を持ってひっそりと買い込むわけです。

近年の日本市場では、2002年はあらゆる企業が異常な低評価を受けていた時期だと思われます。この時期に割安なバリュー株をしっかりと仕込んでいた投資家は、2003年の日本株見直しの機運にのってかなりの利益を受けたことと思います。

2004年4月現在、数年前と比べるとあらゆる企業が再評価されていますので、当時と比較するとなかなかバリュー株を見つけるのはしんどいかも知れませんが、市場を構成しているのは人間です。

故に、間違った評価を下すということはこれからも十分にありえることだと考えます。

企業評価の基本はとても簡単です。「利益」がどれだけあるか?「株価」はどんな評価を得ているか。「自己資本」の規模。そして「負債」。「同業他社」との比較etc…

検討の項目はそれなりにありますが、理にかなっていますので、順番にしっかりと考えていけば、それほど大変なことはないはずです。

これからゆっくりと基本的なことに絞って説明をしていきますので、いっしょに一歩一歩勉強していきましょう。

それでは、「ファンダメンタル分析入門」の始まりです!




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利益

さて、そういうわけで利益です。全ての私企業は利潤を追求し拡大再生産をすべく努力していくというのが株式会社の建前ですから、利益をあげられない企業はダメな企業といって良いと思います。

もちろん、税金を払いたくないから赤字決算とか、社会的な意義のある活動をしているから利益は2の次とか、個別にみればいろいろと議論の余地はあるかも知れませんが、投資家にとっては預けたお金を使ってどれだけ稼いでくれるのかがポイントになるわけですから、やはり利益の上がっていない企業はダメ企業です。

ところで、「利益」と一口に言いましても、"損益計算書"(略して"PL"とも言います)を見ますと「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「当期純利益(+税引き前当期純利益)」と約4種類も出てきます。

まずはそれぞれ、どういうものなのかを説明してみたいと思います。

まずは「売上総利益」です。これは別名「粗利」とも言いまして、売上高から原価を引いたものです。これが赤字になっている企業はありえません。

もしこれが赤字になっている企業があったら、即刻解散すべきです。なぜなら売上を上げればあげるほど赤字が増えていくからです。まぁ、そんな上場企業は100%無いといって良いと思いますが。

というわけで、「売上総利益(粗利)」をみる場合のポイントは、どれだけ利益率が高いか(言葉を変えれば、原価が低いか)ということになります。

売上総利益率(粗利率)が高ければ高いほど(つまり、原価が低ければ低いほど)利益をあげるためのポテンシャルは高いわけですから、有利です。もちろん、業種によって一般的な粗利率は異なるはずなので、同業他社との比較も欠かせない項目ではあります。

続いて「営業利益」ですが、これは先ほど出てきた売上総利益から販売管理費及び一般管理費を引いたものになります。

販売管理費というのは、簡単に言ってしまえば、セールスにかかる費用です。商品は仕入れたり作ったりしただけでは売れないので、売るための努力をしなくてはなりません。そのための費用です。もちろん、売るための努力をしなくても良い商材を取り扱っている企業もあると思います。その場合、販売管理費にかける費用は少なくなりますから、営業利益も高くなるはずです。粗利率が高くて、営業利益率も高い企業があれば、それはとりあえず良い企業であると言ってかまわないと思います。(ちなみに、一般管理費とは、経理や総務など会社を維持運営していくのに必要な費用だと考えてください。この費用も収益に直結するわけではないですから、できれば少ない方が良いですね。)

さて、「営業利益」は売上から原価と本業を行っていくのに必要な費用をひいたものですが、一般的な企業は本業のほかにも収入や支出があるものです。例えば、自社所有の建物を賃貸に出して賃料収入を得たり、お金を貸し付けて金利を得たり、本業以外の収入が発生したり、逆に利息を支払って支出があったり…。このような本業とは関係のない収入や支出を「営業外収益」「営業外費用」と呼んでいます。そして、本業での利益である営業利益に、営業外収益と営業外費用を足し引きしたものが「経常利益」となります。

もし、営業利益が低くて経常利益の高い企業があるならば、それは本業では稼げずに副業で稼いでいるということですから、あまり好ましくない状況かも知れません。どこで利益を出しているのか、注意してみることが必要です。逆に営業利益は高いけど経常利益が低くなってしまっている場合は、本業は上手くいっているけれども副業で失敗しているということですから、これまた好ましい状況とはいえません。早めに対策を取っていただかないと困るわけです。

さぁ、ここまで「売上総利益」「営業利益」「経常利益」とみてきたわけですが、一口に利益と言ってもいろいろとあるもんだということが分かっていただけたでしょうか。本来、どこかひとつだけ見ればよいというものではなくて、それぞれの内容やバランスを見て判断すべきものなのです。

最後に「当期純利益」ですが、これが企業の最終的な利益になります。当期純利益は、経常利益に当期のみに発生する特別な利益と損失を足し引きして出した「税引き前当期純利益」から税金を引いたものになります。

株主に支払われる配当などはこの当期純利益から出ますので、投資家にとって最も重要な指標といっても良いと思います。

ちなみに、この当期純利益を貸借対照表の資本で割るとROEが出ます。ROEとは、投資家から預かったお金を使ってどれだけの利益をあげたかを示す数値です。まぁ、利率みたいなものだといって良いと思います。

一般的にROEが10%を越えていれば優秀な企業の部類に入ります。銀行預金の利率が1%にほど遠く、0.00何%とかいう異常な低値なので、10%というとびっくりするかも知れませんが、株式投資にはリスクがありますから、それくらいは利益をあげていただかないと投資家としては困るわけです。

もちろん、当期純利益の全てが配当などの形で投資家に還元されるわけではなく、この利益は企業の内部留保として更なる拡大再生産に使われたり、役員への賞与などに使われたりするのですが…。

というわけで今回はファンダメンタル入門の第一弾として「利益」に関してお話をしてみました。どうでしたでしょうか。感想やご意見などがありましたら掲示板に書き込んでいただければ幸いです。それでは、また。


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相場格言

先人たちの智慧が凝縮された「相場格言」の中から、特にお気に入りのものをご紹介していこうと思います。 これをご覧になっている方で、格言とそれにまつわる体験談などのお話がありましたら、 資産運用掲示板もしくは雑談掲示板に投稿してくださるとうれしいです。

「株を選ぶより、時を選べ!」

株式投資はタイミングが非常に大切です。「休むも相場」という格言もありますが、なかなか含蓄のある言葉だと思います。株式投資で”勝つ” (あるいは、”負けない”)ためには、自信のあるときだけの勝負に絞るべきなのでしょう。

そして、損切りラインをきっちりと守ること。これまた重要です。

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「ブルは時々儲ける。ベアも時々儲ける。だがホッグだけは儲からない。」

注釈:「ブル」とは雄牛のことで強気を、「ベア」とは熊のことで弱気を指します。「ホッグ」とは豚のことをあらわし、欲深い投資家のことを指して います。

最近、相場なんて簡単なんじゃないかと思い始めています。(決して慢心するわけではありませんが…)強気だろうが、弱気だろうが、適切なときに買っ て適切なときに売れば良いだけの話です。

もちろん、失敗もありますが、それはそれ。傷が浅いうちに切ってしまえば、致命傷にはなりえません。

(損切りばかりしてても儲かりませんので、損切りすれば良いって話でもないのですが…)

相場の成功者と敗者を分けるものはなんだろうと、考えているのですが、「欲」の管理を上手にできるかどうかが、一つの分かれ目の様な気がします。

つくづく、「相場って心理戦なんだな」と痛感します。

また、ニュースや情報に振り回されていても勝てません。(ただし、その銘柄に対するバックグランドの知識は必要かも知れませんが…)

相場を張るということは実に淡々とした、静謐な行為なのではないでしょうか。

倦まず弛まず前進してゆきたいと思っております。

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「下手のナンピン、すっかんぴん」

けだし名言です。

もちろん、私にも経験があるのですが、予想が外れているのにもかかわらず、負けを認めたくないためにナンピンに走る…これは、ご法度です。

しかし、予想の範囲内でナンピン(こういう手法を「分割買い下がり」とも言いますが…)をしていくのは、実はかなり有効な戦略だったりもします。

注意をしなければならないのは、ナンピンをするということは、イコールより大きなリスクを取るということですから、自分が何をしているのかを認識 していなくてはなりません。

さもないと、格言が指しているように「すっかんぴん」になるのもあっという間です。

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「たまごは一つのかごに盛るな」

類義語に「相場の金とたこの糸は出しきるな」という言葉もあります。

両者の意味合いはちょっと違いますが、要は余裕を持ってポジションを取りましょうという、ありがたい教えであることには変わりありません。

相場というものは本当に何が起きるか分からないのです。

いざというときのために現金を用意しておくのは当たり前のことですが、ポジションも過大に取っていると身動きが取れなくなります。

常にどんなことがあっても、全てのポジションを手仕舞える様な心構えとポートフォリオを組んでおくことが非常に重要だと思います。

分散するということは、それだけでリスク低減の役に立つのです。

私事になりますが、私は最近、現物で負けて信用で勝っているのですが、つくづく現金をしっかりと用意しておいて良かったと感じています。

もし、現金がなかったら、維持率が持たず、不本意な時期にポジションを整理しなくてはならなかったのです。

相場には「魔坂(まさか)」という坂がつきものです。ゆめゆめ、慢心せぬようにアセットアロケーションを考えておくと良いと思います。

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「知ったら、しまい」

相場というのは先見性がありまして、国際政治の動きやマクロ、ミクロ経済の変化あるいは、新製品の開発など、あらゆるニュースを先取りして取引 されます。要は、相場と言うのは思惑で売買されているのですね…。

と、言うことは、本来ニュースになってから売買判断をしたのでは遅いのです。

(つまり、大抵の通常ニュースは相場に対して、それほど意味を持ちません)

こんな話をすると、

「では、インサイダーはどうなんだ」

ということを言い出す人がいるかも知れませんが、そもそもインサイダーは犯罪です。

しかも、そういう浮世離れした世界は、私にとっては別世界の話なので興味はまったくありません。

(それに、いろいろな本を読んでいるとインサイダーなんて損をするように出来ているらしいです。世の中ってそんなもんなんですね。)

では、個人投資家はどうするべきなのかと言うと、まず、目指すべきことは、投資技術の向上ではないでしょうか。

例えば…

  1. テクニカル売買の基本を身に付けること
  2. 建て玉法などポジション管理の仕方を学ぶこと
  3. 自分の投資スタイルを明確にすること
  4. 運用資金をちゃんと管理すること

など…(順不同)

そして、最後に秘伝…「銘柄を絞ること」これが非常に重要です。(と思う…)

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「人の行く裏に道あり花の山」

あまりにも有名な格言です。

この格言は一般的に「逆張り」の効用を説いているといわれています。

(逆張りとは値上がりしている株を売り、値下がりしている株を買うことです。それに対して、値上がりしている株を買い、値下がりしている株を売る ことを「順張り」もしくは「トレンドフォロー」と言ったりします。多くのデイトレーダーの投資戦略は基本的に順張りです。)

しかし、この格言には実は下の句もあります。それは…

「いずれを行くも散らぬ間に行け」

というもので、非常に含蓄があります。

私はこの格言を、花が「散らぬ間に」到着できるなら、どの道を通っても良いのだと解釈しています。

もちろん、逆張り派、順張り派、双方とも自分の方式が優れていると主張するでしょうし、それなりに納得できる根拠もあるのですが、大事なことは 「確実」に"利益"をあげるということだと思います。

皆様一度は経験があると思いますが、含み益があるにもかかわらず売れずに、気が付いたら含み損という悲劇を繰り返さないためには勝てる方法で確実に、 勝つという姿勢が非常に大切です。

隣の芝生は青いといいますが、株式投資でも人の扱っている銘柄は非常に魅力的に見えますし、投資方法も自分の方法より人の方法が優れているように 感じるものです。

が、しかし、人を気にすることはないのです。

自分の方法で、自分の道を突き進めばよいのです。

これは別に株式投資のみに言えることではなく、すべてのことに対して言えることだと思います。

ひとみが曇っていないのならば、あなたの歩むその道は、必ずローマに続いているはずです。

人が歩かない道を勇気をもって切り開ける人を私は尊敬しますし、自分もフロンティアスピリットは常に持っていたいと思います…。

ちょっと、脱線しましたかね…

何はともあれ、株式投資というものは、面白いもので、同じ時期に同じ銘柄を同じ株価で買っても儲ける人と損する人がいます。

それはもちろん、売り方が悪いわけですが、状況が変わったときに、その変わった状況の中で適切な判断ができるかどうかに全ては、かかっています。

たとえば、ある銘柄が損切りラインに達したとします。すると、投資判断を「買い」から、「売り」に変えなくてはいけません。

ところが面白いことに投資判断が売りに変わっても、買っている人もいるわけです。(そうじゃなきゃ、値段がつきませんからね…)

これは、どういうことなのでしょうか。

売っている人が正しくて買っている人が間違っているということなのでしょうか?

もちろん、そうではありません。高値でポジションを持っている人にとっては損切りラインに達したら、早急に「売り」なわけですが、ポジションを持って いない人にとっては下値不安が現実に減ってきているわけですから(もちろん、下落中の銘柄は下値なんてわかりませんので、新たに買う人はその人なりの損 切り価格があるわけですが…)絶対に「買い」なのです。

これは上昇中に関しても言えます。安値で空売りをしてしまった人は踏み上げられてしまって、いつ買い戻そうかと不安になって、できるだけ早く買いたい と考えるものです。しかし、安値で買っている人は逆にいつ売ろうかと売り時を虎視眈々と狙っています。

つまりは、まったく同じ時期の、同じ銘柄の、同じ価格であってもそのときのその人の「立場」によって判断はまったく逆になるわけです。

そして、「立場」の違いが「判断」の違いを生みますが、どちらが間違っているとか正しいとかいうことはなく、両者とも”正しい”のです。

一番まずいのは判断をせずにほうっておくことです。

判断の先延ばしは、悲劇を生む原因になります。

「利食い」でも「損切り」でも自分なりの判断基準で、きちんと"花が散らぬ間に"行動にうつせるようにしたいものです。

まぁ、要は「自分なりの」投資方法を見つけましょうという、そういうお話でした…。

最後にもう一度…

「人の行く裏に道あり花の山 いずれを行くも散らぬ間に行け」

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「買いたい弱気 売りたい強気」

この格言はいろいろと解釈があるみたいですが、私的な解釈では、「常に逆目を考えるべきだよ」と捉えています。

普通、「買いたい」時は強気で、「売りたい」時は弱気だと思います。

しかし、相場というのは常にバランスが取れて成り立っています。自分の見方とは違う見方をしている人がいるという事実に目を向けることは非常に 重要なことだと思います。

「買いたい」時にはちょっと弱気になって、損をしたときのことを考えておきましょう。「売りたい」ときには、ちょっと強気になって、さらに値上がり をすることを考えてみましょう。

最後に一言…。”恋は盲目---視力が戻る結婚後”

お粗末でした。

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「天井売らず、大底買わず」

似たような格言に「たいやきの頭と尾っぽは相場にくれてやれ」という言葉もあります。やっぱり、有用な格言というのは、表現を代えながらも 語り継がれていくのだなと感じます。

さて、一般に買うときは出来る限り安値で買いたいと思うわけですし、売るときは出来る限り高値で売りたいと考えるのが普通だと思います。

ということは、「大底で買う」ことを目指し、「天井で売る」ことを目指すのは至極あたりまえのように思え、この格言は色あせて見えるような気も します。

しかし、大底や天井を予想し、その1点で売買することを投資家は目指すべきなのでしょうか?

私は、天井や大底で売買することを目指すべきではないと考える立場にいます。

もちろん、相場を予想のゲームとして、楽しむ立場として考えるならば、相場の天底というものを予測して、そこで売買を試みることも一興かも 知れません。

しかしながら、神ならぬ人の身でありながら、相場の天底を当てようという行為は確率的にも非常に無謀なことであり、不可能のように思えます。

そう考えると、天井や大底での売買を目指すのは、はっきり言って無駄なことであり、趣味で相場を楽しむなら理解できるけれども、相場に生きる 相場師として生きるならば、もっと違った態度をとる必要があるのではないかと思います。

さらに言いますと、明日の株価が上がるか下がるかの単純な予想に関して考えてみても、確率は2分の1であり、明日どころか、1分後の値段で すらも2分の1を超えた確率で予想をすることは出来ないのではないかと思われます。

(もちろん、順張りで短期売買を繰り返す手法をとる方は、わずかな値幅の短期的な動きにのる手法をとるそうですし、その場合、期待値は低くても 勝率の高いトレードを目指すそうですが、私は基本的にデイトレーダーではないので良く分かりません。)

さて、天井や底を予想することなく、しかも明日の株価がどうなっているかも分からないで利益を出すというのは、どのようにすればよいのでしょうか?

トレーダーにとって、利益の源泉は値動きです。

株価が上にあがろうと、下にさげようと、値動きさえあれば、利益を出せる可能性は常にあるわけです。

つまり、相場で最も重要なことは、「建て玉の技術」(マネーマネジメント)ではないかと思うわけです。

このように考えますと、まことに相場は自由になります。

(天井や底を探さなくて良いのですし、明日の株価が上がっても下がっても良いなんて、なんて自由ではないでしょうか?)

もちろん、損切りラインはどのような投資法にも存在します。でも、その損は必要経費です。なぜなら、試し玉が損切りになったときは、相場の流れが 最初の見通しの逆に動いているということの証明になり、新たなポジションのきっかけになりうるからです。

(もちろん、どうあがいてもダメなときは下手にもがくよりも「休むも相場」を決め込むのが最も賢い選択なのですが…)

何はともあれ、大切なのは値動きに関する感覚です。直近の値動きをしばらく追って、その上下幅、抵抗線、支持線を把握し、安いときに買って、高い ときに売るだけです。(もちろん、逆も可)

絶対に必要なのは「試し玉」です。相場の上下を予想して悶々とするよりも、とにかく最低単位の試し玉を置いて変動感覚を磨くのが相場の感覚を 磨く近道だと思います。

上か下かの予想から自由になって、建て玉の技術のみを頼りに、淡々と相場が張れるようになったとき、またひとつ、新たな階段を上ることが出来る のかもしれません…

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利食い千人力

利食いは大切ですね。

特に最近元気な東証1部の低位株(仕手系)なんかはイナゴの大群のように資金が押し寄せ、風向きが変わるとあっという間に引き上げが始まります。

含み益のはずが、気がついたら含み損…値動きの激しい株でなくても良くある話です。

で、初心者向けにアドバイス…作戦その1

結局損切りになるくらいなら、買値からある程度上昇したところでいったん売り、押したら押し目買い、上がれば良し、買値まで下がれば損切りという戦略はいかがでしょうか。この作戦で損切りになると、行って来いで、結局何もしなかったのと同じになってしまうけれども、さらに下がったときに買うことができる。含み益が含み損になるよりは全然ましだと思いませんか?

売ったところから押し目がなくさらに上昇してしまったらどうするか?もし、飛び乗りたいなら、どこかで新規買いをしなければならない。その場合は、前回利食いした利益の範囲で損切りポイントを決めれば、負担感少なくリスクが取れる。

もちろん、動きの激しい銘柄は気配値張り付きで値がつかなくなってしまうリスクは当然あるけど…。

も1つおまけの…作戦その2

ストップロスを活用しよう。

気持ちよく上昇しているときは、期待がいっぱい夢いっぱいでなかなか利食いが出来ない人もいるかも知れません。そんなときは徐々にストップロスを切り上げていく作戦はどうでしょうか。これ、トレイリングストップロスと言って、有名な手法なのですが、知らない人もいるかも知れません…。「損切りは早く、利食いは遅く」という格言も有名ですね。

具体的に説明しましょうか。例えば、ある株を100円で買ったとします。そのとき、損切りラインを90円に設定していたとします。もし、株価が110円に上昇したら、損切りラインを100円に切り上げます。この時点で損益0は確定したことになります。もし、さらに上昇して120円になったら、損切りラインを110円に切り上げます。これで10円の利食いが確定したことになります。(価格の決め方はこんなに単純でなくても良いですが。)まぁなんにせよ、このようにして損切りラインを少しずつ上に上げていくのです。そうすれば、いつかは必ずラインに引っかかりますから、その時に利食い完了と相成るわけです。

もちろん、この作戦でも銘柄によっては、値がつかないというリスクはあります。

とにかく株の基本は安くなったら買い、高くなれば売ること。当然、先に売って、後から買い戻しても良いわけだけど。

何はともあれ、利益が出たら、しっかりと利食うことを考えましょう。これ基本です。


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